定時制高校のすべて:入学、進路、学費、学び方
悩みを共有してくれる先生や仲間に恵まれた学校です
東京都立大江戸高等学校
1部(午前部)3年生
大山 奈美惠 さん
高校進学に際して、精神的に不安を抱えていたという女子生徒さんは、都立大江戸高等学校の存在に興味を持ち、入学しました。学校に行きたくないと思った時期もありましたが、先生や仲間のおかげで立ち直り、今ではすっかり学校生活を楽しんでいます。そんな温かい学校の雰囲気や生活ぶりについて話をうかがいました。
落ち込んでいた私が進学したいと思った
小学5年生の時と、中学2、3年生の時に近所のステップ学級(学校適応指導教室)に通っていました。精神的にすごく落ち込んでいた私は、高校受験が近づいても、自分で進路を決めることができずにいました。そんな時、学級の先輩が大江戸高校の存在を教えてくれたんです。 定時制といっても、朝から授業を受けられるので、当時、不規則な生活を送っていた私にとっては、健康的な日々を取り戻すいい機会になったと思います。毎日制服着用というのも、気持ちが引き締まって気分いいですね。
生徒の自主性を尊重何でも積極的になった
私は1部(午前部)なので、8時40分に1限目が始まります。8時に家を出て、30分ほどかけて自転車通学しています。午前中は12時まで4時限の授業があり、午後も他部履修(所属する部以外の授業を受けること。例えば1部の生徒が2部や3部の授業を受ける、など)で数時限の授業を受けます。
それが終わるとほとんどの友達は部活動の時間にあてています。私はパソコン同好会に入っているので、PC教室に行っています。将来の就職に少しでも役にたつかな、と思って入りましたが、実際はパソコンに触れるよりは、友達としゃべっている時間の方が長いです。
じっくり自分の将来を考えながら学べる学校
今は本当に学校生活を満喫していますが、実は2年生の時に、将来と現実のことを考えて、また悩みを抱えるようになり、学校に行くのが嫌になった時期がありました。「このまま、学校を辞めてしまおうかな」とも考えていたんです。
そんな時に先生や両親が親身になって相談にのってくれました。担任の先生からは「長い人生なんだから、あせらず、じっくりと考えなさい」とアドバイスをいただき、また保健の養護の先生は、泣いていた時に一緒にお昼ごはんを食べてくれたりしながら、優しく見守ってくれました。
おかげで少しずつ立ち直ることができ、自分から心を開けるようになったんです。すると友達も増えて、今ではすっかり学校が楽しくなりました。あの当時を振り返ると、学校を辞めなくて本当に良かったと思います。もし辞めていたら、もう自分の居場所をなくして、立ち直れなくなっていたかもしれません。
毎日を明るく楽しんで生きる
高校を卒業したら就職したい、と考えているのですが、「こんな仕事がしてみたい」という具体的な希望はまだありません。夢を見つけることが夢という段階です。ここにたどり着くまで、色々なことで悩み、精神的に不安になっていたので、今は毎日を明るく楽しんで生きることを心がけています。平凡でも、そのことが一番大事で難しい、ということが自分なりに分かったからです。
※『ステップアップスクールガイド2008年度版』(学びリンク)から抜粋