高校中退のすべて:高校中退からの進路・転入学、編入学
高校転編入とは
《転入学と編入学》
いったん入学した高校を替わるには、転入学(「転入」)と編入学(「編入」)という方法があります。転入学と編入学の2つを合わせて「転編入(てんへんにゅう)」という言い方もあります。
高校を中退して、再度高校に入る場合を編入学。高校に在籍している人が高校を替わる方法が転入学です。
《転入学と編入学の異なるポイント》
同級生に遅れずに卒業時期を迎えたいと思う人には、転入学で高校を替えるこえを考えてみてください。高校中退した場合は、卒業時期は遅れます。これは、高校の場合には「3年間の修学」が卒業条件になっているからです。
この点からみると、転入学により高校を替わることの方がメリットが多い面があります。
転入時期は、通信制高校の場合は随時可能です。全日制、定時制の場合は、学期や年度の切れ目に募集があるのが一般的です。
《高校中退の現状》
文部科学省の調べによると(2016年10月発表)、2015年度の高校中退者数は、49,001名となっています。これは、高校生全体の1.4%にあたります。ここ数年の高校中退率は、2012年度1.5%、13年度・1.7%、14年度・1.5%と推移しています。
高校中退率は、学科や各学校によって異なります。全日制高校中退率は普通科・0.8%、専門学科・1.1%、総合学科・1.3%、定時制高校は10.0%、通信制高校は5.4%−となります。
全日制に比べると、学校生活時間が柔軟に過ごせる定時制、通信制ですが、それだけに自己管理が必要となる場合も多く、中退率は全日制を大きく上回っています。
学年別にみると、1年生の時の中退率が一番高く、1.6%で、2年生・1.1%、3年生・0.4%と学年が進むにつれて低くなりますが、4年生(定時制、通信制)になると2.6%と跳ね上がります。無学年なっている単位制でも中退率は3.4%となっています。
高校の場合は、3年間で卒業を目指すことが中退を避けることにつながっています。
高校中退の理由として多いのは、(1)もともと高校生活に熱意がなかった・13.1%、(2)別の高校への入学を希望・12.6%、(3)就職を希望・12.4%――などが高い比率を占めています。
中退理由の「(2)別の高校への入学を希望」の場合は、「転入学と編入学の異なるポイント」で述べたように高校を中退せずに、他の学校への転入学を考えた方がメリットがあります。中退後に編入学する場合は、同じ学年をもう一度やり直す場合も多くなります。
ただし、転入学の場合は、学校によって学習内容(カリキュラム)が異なっていることから学校間での引き継ぎがうまくいかないことで、全日制高校から全日制高校への転入などは難しい面があります。この点では、単位制の仕組みを生かした通信制高校や単位制・定時制高校が検討対象となります。