高校中退のすべて:高校中退からの進路・転入学、編入学
在籍している高校を替わることや、いったん高校を中退してしまったものの、もう一度高校で勉強して、高校を卒業するための方法が転編入です。転編入のしくみとそれぞれの特長を替わろうとする高校のタイプも交えて説明します。
■転入(転入学)
転入とは、「転校」のことです。中学校の場合は、引っ越しなどによる理由での「転校」が多かったでしょう。高校でも、引っ越しなどの理由で転入する場合があります。高校の場合には、これ以外の進路変更を理由とする転入が多いのが実状です。将来の志望の変更、学習内容、人間関係など理由はさまざまです。
転入学は、在籍している生徒が別の高校に移ることなので、学校同士も生徒のそれまで学習してきた成果や、生活のようすなどの情報を引き継ぐことになります。このために次のような書類が必要となります。
◎転入の際に必要な書類
在籍高校で用意してもらうもの:
在籍証明書、成績(単位修得)証明書、在籍校校長の転学照会書など
転入は、学習してきた内容の成果(「単位の修得」など)も引き継がれます。このため、在籍校と替わろうとする学校との間で学習内容が大きく異なっていると、引き継ぎができないことから難しい場合があります。
例えば、全日制課程から通信制課程への転入は、比較的問題がありません。これは、通信制課程の高校が単位制という学習のしくみであり、しかもレポートを中心とした個人学習を基本としているからです。
しかし、この逆、通信制課程から全日制課程への転入は困難です。これは、学年制の全日制課程では、学年ごとに学習の内容とそれを学ぶスピードが決まっているため、他の学校で学んできた生徒のそれまでの学習内容とそのスピードを受け入れにくいからです。
このため、転入の募集時期も通信制課程の高校の場合は、「随時」(ほぼ年間を通じて受け入れることができる)のに対して、全日制や定時制の高校の場合は、「学期末」(7月や12月など)の区切りのポイントで受け入れることになります。全日制や定時制に転入を希望する場合は、学校によって決められている転入募集時期を待つことになります。
転入試験の内容は、一般的には全日制高校では主要教科(国・数・英など)の学力試験と面接、通信制課程では書類審査、作文、面接などとなっています。
■編入(編入学)
編入は、高校を中退した人が改めて高校に入学することをいいます。在籍していた高校での修得単位は、生かすことができますが、中退時の学年は修了していないため、もう一度その学年からやり直すことになります。
高校1年生の段階で中退した場合には修得単位がないので、全日制高校などの学年制の高校を志望する場合は、通常の新入学生募集時期に行う入学試験を再受験することになります。入学できればその後3年間の高校生活を送ることになります。学年制の高校では、編入試験も年度末の3月に行われる場合が一般的です。
転入のところでも説明しましたが、これは学年ごとに学習内容が決められているために途中から生徒を受け入れることが難しい面があるからです。この点でも、通信制高校のように単位制のしくみと個人学習を基本にした学校では編入に対しても柔軟に受け入れることができます。通信制高校では、「随時」編入生を受け入れるところもあります。
また、学年制では、高校1年生をもう一度やり直すと、「4年間」の高校生活が必要となりますが、単位制では、1年間に必要な修得単位を多く取る努力をすれば通算で「3年間」での卒業も可能です。
◎編入に必要な書類
在籍していた高校で用意してもらうもの:成績証明書、単位修得証明書が一般的で、どちらか一方の場合もあります