フリースクールのすべて フリースクールからの進学
中学生の通うフリースクールでは、中学卒業後の進路指導も行っています。高校への進学指導は、進学先となる高校の学校情報をはじめ、高校受験のための指導も行っているところが多くあります。
高校以外では、通信制高校や高等専修学校への進学、高卒認定試験受験などがあげられます。フリースクールの中で職業体験などを協力関係にある職場で行う例もみられます。
ここでは、高校以外のいくつかの進学先を紹介します。フリースクールに通いながら自分の将来についてじっくり考えて、自分にあった進路をみつけるのもひとつの選択といえるでしょう。
◎登校スタイルが選べる通信制高校
通信制高校の基本は自分で学ぶ「自学自習」スタイルですが、通学日数や学習方法には、さまざまなタイプがあります。通信制高校を卒業するには、(1)通算3年間以上の高校への在籍、(2)74単位以上の修得、(3)特別活動への参加が必要です。
単位の取得には、レポート提出とテストのほかに、スクーリングと呼ばれる集中授業(面談)に出席する必要があります。なお、高校を中退した人や転入の場合は、前校での在籍期間は「通算3年間以上」の中に含まれます。
自分のペースで学習しながら、高校卒業を目指したいという人に向いています。
■通信制高校のタイプ
1.通信制タイプ | 自宅学習を中心に、月2回〜4回程度のスクーリングなどを行う |
2.通学タイプ | 週5日通学制、週4日通学制、週2日通学制など、学校に通学して学習を行う |
3.インターネット利用タイプ | Web授業やインターネットでのレポート学習を中心に行う |
4.学習センター・キャンパス利用タイプ | 通いやすいキャンパスを選び、スクーリングや普段の学習指導が受けられる |
5.集中スクーリングタイプ | 年に1回・3泊4日から1週間程度の集中スクーリングを行う |
◎学習面・生活面をしっかり支えてくれるサポート校
サポート校(「通信制高校サポート校」とも呼ばれます)は、通信制高校に在籍する生徒が通信制高校を3年間で確実に卒業できるように学習や生活面を支援する民間の教育機関です。
少人数指導、個別カウンセリング、体験学習を重視したプログラムなどを通じて生徒に達成感を持たせながら同時に高校卒業資格を確実に手に入れるためのレポート指導や教科指導、スクーリング指導を行うというのが基本的なコンセプトです。
■学び方のしくみ
◎教育委員会認定で安心感のある技能連携校
技能連携校とは、学校教育法という法律に基づいて都道府県の教育委員会から指定を受けた、専門的な知識や技術を学ぶことのできる教育施設です。
専門教科(例えば商業)と高校普通教科(国・数・英など)を同時に学びます。高校普通教科は、通信制高校などと連携して学びますので、卒業時には、高卒資格を取得できます。
連携している通信制高校と同時に入学することになりますが、2つの学校を頻繁に行き来することはありません。勉強する場所はほとんどが技能連携校で行われます。
登校形態は、全日制高校とほとんど変わりのないところが多くなっています。
◎専門知識や技術を身につける高等専修学校
若いうちから専門知識や技術を身につけたいと考えている人に向いています。経理・簿記、保育士、美容師、調理師、デザイナーなどの分野を実務中心に学習できます。
大学などへの進学を希望する場合は、入学する高等専修学校が大学入学資格を認められている「大学入学資格付与指定校」となっていればだいじょうぶです。
なお、中学校卒業程度の人を対象とした専修学校高等課程を高等専修学校、高校卒業程度の人を対象とした専修学校専門課程が専門学校です。
◎高卒認定試験
高認(高卒認定試験)とは、正式には「高等学校卒業程度認定試験」といって、文部科学省が実施する試験です。従来の「大学入学資格検定(大検)」が移行して、2005年度から実施されています。高認に合格すると、高校卒業者と同等と認められて、大学、短大、専門学校の受験が認められるだけでなく、就職や資格試験などにおいても高校卒業と同等として扱われるようになります。つまり、進学や就職に際しては「高認=高卒」と考えてもらえばいいわけです。
高認は、受験年度に16歳以上であれば誰でも受験できます。中学を卒業していないといけないとか、高校に通っていてはダメということはありません。全日制、定時制、通信制のどの高校に在籍する人でも受験はできます。国籍も関係ありません。
高卒認定試験(高認)予備校という、高認の合格ための受験指導を行っている予備校に通いながら、合格を目指すことも可能です。