通信制高校のすべて


■先輩からの声

自由な空気の中、自分のペースで学んでいく

クラーク記念国際高校
下竹暢大さん 総合コース2年生

 クラーク記念国際高校横浜キャンパスで生徒会長を務める下竹暢大さん。生徒会をまとめて行事の運営をこなすリーダーとして充実した学校生活を送っています。しかし小中学校では、あまり学校に通っていなかったとのこと。下竹さんはどのように自信をつけ、積極的になっていったのでしょうか。お話をうかがいました。

◆生徒会活動で充実した高校生活

 いま僕は、生徒会の会長もやらせてもらっていて、とても充実した毎日を送っています。クラークには、たくさんの行事があるのですが、その企画と運営は、生徒会を中心とした実行委員たちが担当しています。それもスポーツ大会や新入生歓迎会などの行事だけでなく、入学式や卒業式などの式典なども僕たちが運営します。どんどん自分たちの意見を出し合って、比較的自由にやらせてもらっている感じです。

 僕が生徒会長になったのは、ついこの前の11月からですから、なりたてのほやほやです。生徒会長になる前から生徒会の活動をやっていて、今年は体育祭の副委員長や、文化祭の実行委員長を務めました。勉強はこれからもできるけど、今しかできないことをしたいなって考えたんです。それに進路を考えると、行事が一番楽しめるのは2年生のうちですから。でもやっぱり文化祭の運営はとても大変でした。

 60名を超える実行委員たちをまとめつつ、限られた準備期間の中で昨年度以上のレベルの発表を行おうと工夫を凝らしていく。だからやり遂げた時は充実感が得られたし、なにより自分に自信をつけることができました。生徒会長の選挙に立候補しようと思ったのは、もっとこういう経験をして自信をつけていきたいと考えたからです。

◆小学校5年生から学校にあまり行っていなかった

 よくそうは見えないと言われますが、僕は小学5年からほとんど学校に行っていなかったんです。もちろん、そのきっかけはあったんですが、でもいま考えるとやっぱりそれだけじゃない。ただ休めば休むほど勉強から取り残されていく不安は大きくなりました。

 クラークに入ったきっかけは、同じように学校に行っていない友達がいて、そのお母さんがこういう学校があると教えてくれたからです。最初は、学校説明会ではなくて普通の授業を見学させてもらいました。そこで生の生徒たちの姿を見て、この学校っていいなって思いました。その後に改めて学校説明会に参加して、司会をやっていた生徒会長の凛とした格好良さに、クラークに決めたって思いました。

 ちなみに生徒会の役割の中に、学校説明会での司会や学校案内もあるんです。本当にいろんなところで生徒たち自身の活躍の場が与えられる学校なんだなって思います。もちろん、いまでは僕も説明会でバリバリ説明しています。

◆オンリーワンコースから総合コースへ

 クラークには、オンリーワンコースという小中学校にあまり通えていなかった生徒が、学校に通えるようになることを目的としたコースがあります。みんなそこで自信をつけてから総合コースに移っていくんです。僕もこのコースから始めました。クラスには、同じような経験をした子が多いので、すごく話がしやすくて、気がつくと引きこもっていた話なんかをみんなで笑いながらしてました。
 不安だった授業も、最初は中学の復習から始めてもらえるので、通っていなかった時期の勉強もスムーズに埋め合わせができて、高校の新しい科目にもしっかりと対応することができました。

 1年生が終わって、いよいよオンリーワンコースから総合コースに移る時には、やっぱり不安な気持ちがありました。でもそのための準備に、いろいろ工夫をしてもらっていたので全く自信がないというほどでもなかったです。とくにオンリーワン・キャンプというオンリーワンコースの生徒だけが行くキャンプがあって、総合コースに移っていった先輩たちにいろいろ話を聞くことができました。「オンリーワンから総合に移っても、友達もできるし授業もついていける。自信をもって大丈夫」って勇気づけてくれたんです。
 実際に、総合コースに移ってみると、先輩たちの言うとおり、コースの違いにもすぐに慣れたし、心配するほどのことは何もなくてちゃんと通うことができました。もちろん、総合にコースに移ったあとの先輩たちの応援も大きかったなって思います 。

◆自然に積極的になれる環境がある

 クラークに入ってよかったなと思うことは、いろんな人と話す機会が増えたことです。とくに学校説明会では、僕たち生徒自身が参加者の皆さんに校内のご案内をします。もちろん、そこではいろいろな質問されます。とくに登校に不安のある場合は、「ちゃんと学校に通えるようになりますか?」という質問が圧倒的に多いですね。僕は5年間不登校だったけれども、文化祭の実行委員長をやって、今は生徒会長なんですよって言うと、「えーっ、全然そんなふうに見えませんよ」って、みんな決まって同じことを言います。

 知らない間に自分のことを積極的に人に話せるようになっていました。あれ、俺はこんなにしゃべる子だったかなって、ふと考える時があります。こなったのも、先生も生徒たちも、とてもアットホームな雰囲気だからなのかもしれません。この学校では、縦横のつながりが強いし、みんな顔見知りだという安心感があるので、自然と友達もできたし、名前を知らなくても気軽に声をかけあったりもします。そういう学校だから、僕も意識せずに変われたのかなって思います。

 将来は、教師か医療か福祉かのどれかにしようと迷っています。せっかくこの学校で自信がついて話すことが好きになったので、何か人とコミュニケーションができる仕事に就きたいと考えています。

■クラーク記念国際高校の学校紹介ページはこちら

※『通信制高校があるじゃん2007年度版』(学びリンク)より抜粋