不登校のすべて:不登校からの進学、進路、学校選び
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文部科学省が実施した平成21年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の小中不登校に関する速報値が発表された(高等学校の不登校、中途退学、暴力行為、いじめの状況については秋頃発表予定)。小・中学校における不登校児童生徒数は122,432人となり、前年度より4,500人減少となった。
小学校・中学校とも不登校児童は減少も
「中1ギャップ」は依然大きく
小・中学校における不登校児童生徒の状況【速報値】によると、平成21年度の小学校の不登校児童生徒数(30日以上の欠席者)は22,327名(全児童数の0.32%)となり、昨年度の22,652名(同0.32%)より325名減少、中学校の不登校児童生徒数は100,105名(同2.77%)と昨年度の104,153名(同2.89%)から4,048名の減少となった。
小学校・中学校ともに2年連続の減少となっている。ただし、人数は減少しているが、小学校では全児童生徒数における割合は0.32%と変化していない。中学校でも2.77%、36.1人にひとりは不登校生がいるということになり、1クラスにひとりは不登校生がいるという事実には変わりない。「減少した」という事実のみで不登校対策が奏功していると考えることは尚早であり、今後の推移を見守る必要性がある。
不登校児童生徒を学年別に見ていくと、小学校・中学校とも学年が上がるに連れて増加する傾向にあり、小学校1年生では1,080名の不登校児童生徒は、6年生になると7,540名と約7倍に増加する結果になっている。
また中学1年生では22,384名と小学校6年生時の約3倍と一気に増加する。中学校に進学した時点で、学習内容や人間関係など環境の変化に適応できずに不登校になってしまう、いわゆる「中1ギャップ」の問題は依然として大きなものがあることが数字の上からもはっきりと現れており、中学校における対応の強化はもちろんのこと、小学校と中学校による密な連携が求められる。
※参照 『平成21年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』