不登校のすべて:不登校からの進学、進路、学校選び
実際に不登校を経験し、自分に合った高校に進学することで学校に行けるようになったという生徒は少なくありません。ここでは、中学時代に不登校になりながらも、現在は進学した高校で元気に高校生活を送っている3人の方へのインタビュー記事を紹介します。
不登校生の受け入れ体勢がしっかりしていることが魅力
Aさん この学校には、一般入試のほかに不登校経験のある生徒を対象とした入試があります。中3で進路を決めるときになって高校をいろいろ調べているなかで、この制度があることを知ったのですが、自分は中学で不登校を経験していたので、こういう制度のある学校であれば、しっかり対応してくれるだろうし大丈夫かもしれないと思ったのが最初のきっかけでした。
Bさん 私も中学の頃はあまり学校に行けていなくて、中学の先生から不登校の生徒に対応してくれる学校ということで、この学校のことを聞きました。それで実際に見学にきてみて、生徒さんたちの楽しそうな様子を見てすごくいい雰囲気だと思って、この学校がいいなと思ったんです。
Cさん 見学に来たときに、対応してくれた先生がすごくいい先生だったんです。こちらの話もしっかり聞いてくれて、不登校でつらい経験をしてきているということをちゃんとわかってくれる先生だなと思えたのが決め手になりました。入学してからもうすぐ1年になりますが、やっぱりここに入って良かったなあと思っています。
少人数制で先生との距離も近いし不安なことは友だちにも相談できる
Aさん 1クラス25名程度の少人数制なのですが、自分は大人数のクラスが苦手で、大勢の人がいるところだとストレスなどを感じることもあったので、少人数制というのはすごく助かっています。先生との距離が近いということも感じます。一人ひとりと向き合ってくれる感じがありますし、今までの学校生活で、先生をこんなに近くに感じたのは初めてなんです。気になったことがあればすぐに「何かあったの?」って聞いてくれたり、休みが続くと電話してくれたりとか、ちょうどいいタイミングで声を掛けてくれるので助かっています。
Cさん クラスが少人数ということもあって、学園祭などでも「クラスみんなでがんばろう!」って団結できるのがいいですね。あと、大人数のクラスだと、仲のいい子だけで固まってグループができちゃうってことがあると思うんですが、これくらいの人数だとそれもないので、それが一番いいところかもしれないですね。
Bさん ほとんどの生徒が、多かれ少なかれ不登校を体験しているので、お互いに相談もできるし、気持ちが分かり合える、共感し合えるというのはすごく大きいですね。「こういうところがつらいよね」みたいな話もできますし。先生に話せるのももちろんなのですが、身近にいる友だちとそういうことを相談できるという環境はすごく安心できますし、自然にいられる感じがあるので、そこがこの学校の魅力でもあると思っています。
何でもない会話が一番楽しい 自然な自分でいられる学校
Bさん 今、学校には毎日通っているんですが、中学のときほとんど学校に行けなかった私がこんなふうに毎日学校に来られるなんて、自分でも全然思っていなかったんです。自然と来たくなる、通いたくなるくらい学校生活が楽しくて。学園祭や球技大会のようなイベント・学校行事はもちろんなのですが、普通に友だちと話をしているようなたわいもない時間が本当に楽しく感じられるので、皆さんにもぜひ来てほしいですね。
Aさん この学校はほとんどの生徒に不登校の経験があります。だから自分が不登校だっていうことがネックにならないんです。不登校を経験したことがある人って、自分もそうだったんですが、自分に自信がなかったり、劣等感を感じやすかったりします。でもこの学校は、そういう部分をマイナスに感じなくていいんです。自分が自分らしくいられる学校だと思いますし、無理をしなくていい学校なので、同じような経験をされている方がいたら、この学校に来てみてほしいと思います。
Cさん 私もこの学校に来たおかげで、不登校だったことを恥とも思わないし、今振り返ってみれば体験してよかったとも思えるんです。だからこの学校は、私にとって大切な場所ですし、この学校に来られてよかったと思っています。
あと、同じような体験をしてきた方に伝えたいんですが、まずは自分から「話しかけてみよう」っていう勇気を持ってほしいと思います。一言話すことができれば、絶対周りも返してくれるし、それで仲良くなれて、毎日が楽しくなるんです。私も入学してすぐのキャンプのときに、開き直って周りの子に話しかけたことで、すごく世界を広げることができました。だからみんなにも、勇気を出してほしいなと思っています。それがきっと、すてきな高校生活につながるはずです。
『通信制高校があるじゃん2009-2010』(学びリンク刊)より抜粋