不登校のすべて:不登校からの進学、進路、学校選び
小中学校段階の不登校児童生徒の学校以外の居場所としては、民間のフリースクールや市町村などが設置している教育支援センター(適応指導教室)などがあります。フリースクールや教育支援センターへの通所は、在籍校の校長裁量により小中学校の「出席扱い」となる場合もあります。
中学時代などに不登校を経験すると、学習面の遅れや調査書への低い評価などにより高校進学で不利な面がありますが、最近では通信制高校を中心に不登校生を受け入れるさまざまなタイプの高校なども生まれており、進路の選択肢が増えています。
不登校児童生徒の居場所となる教育機関や、高校以後の進路の概略は以下の通りです。
<小学校・中学校>
・フリースクール
学校に行かない子どもたちにとっての居場所の役割を果たしています。勉強を教えてくれたり、いろいろなイベントを実施しているところもあります。軽度の発達障害の子どもたちを支援する専門家がスタッフにいるところもあります。フリースクールでの指導が学校での出席扱いとなる場合もあります。
・フリースクール(訪問型)
学校にもフリースクールにも通うことが難しい場合、フリースクールのスタッフが自宅を訪問するタイプのところがあります。
・ホームスクール
学校に通わずに(時には学校に通いながら)、家庭で学習するスタイルのことです。多くの場合、親が様々な分野の指導をしますが、家庭教師や塾、教材などを用いたり、学校の授業や行事の一部に参加しながら行なう場合もあります。
・教育支援センター(適応指導教室)
学校復帰を目的に、個別の相談や指導を行ったり、小集団での活動を行ったりして、子どもたちが学校に戻る手助けをしています。
・不登校を支援するための小学校・中学校
学習指導要領によらずに不登校児童生徒向けに特別にカリキュラムを組んだ小学校や中学校があります。
<高校以上>
・通信制高校
学習のしくみが柔軟なため、不登校を経験した人を受け入れることができます。通学日数を選べる高校が増えています。卒業後は大学や専門学校への進学も増えています。
・サポート校
通信制高校で学ぶ生徒を確実に卒業まで指導することを目的とした学校です。独自のカリキュラムを持ち、生徒の意欲を喚起する学習を行うところが増えています。
・技能連携校、高等専修学校
これらの学校の中には、不登校生を受け入れるために工夫を行っているところもあります。資格や専門的な技能の習得もできるのも特長です。
・高等学校卒業程度認定試験(高認)
16歳以上の人なら誰でも受けられる試験です。8教科の試験に合格すれば高等学校卒業と同等となります。高認のための予備校もあります。
・定時制高校(多部・昼間)
午前部、午後部、夜間部など学ぶ時間帯を複数つくり、生徒の通いやすさに配慮した高校が生まれています。
・全寮制高校(全日制、定時制)
不登校生を受け入れている全寮制の高校があります。学生寮での共同生活を通じて、精神面の向上も図ります。