不登校のすべて:不登校からの進学、進路、学校選び


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先生に聞く! Q&A
Q.発達障がいの子に通信制は向いている面がありますか?
A.通信制の柔軟なしくみを使って学校全体が取り組むことが必要です。

星槎大学発達支援臨床センター 主任相談員
岩澤 一美 先生

岩澤一美 先生
 特別に支援が必要な子が実際に増えたというより、今までわからなかったものが浮き彫りになってきた面があります。

 どんな人も得手不得手があって当たり前のことですが、でもその得手不得手の差がかなり大きいことでかなり苦しんでいる人がいます。人間関係がうまくいかなくなって不登校になっている子でも、友達同士ばかりでなく、先生との関係の場合でも、いずれの場合もその子の特性の部分で何か引っかかっているものがあるのです。

 発達障がいの子というのは、偏りはありますが基本的な能力に問題があるわけではありません。だから全日制高校などに入ることもできます。だけど入ったはいいけど、周りとの人間関係で難しい面があります。それが学校に行きづらくなったり、行かなくなったりという状態からドロップアウトにまでつながる場合もあります。

 人間関係をあまり気にしなくていい場所というのでたどりつくのが通信制高校などです。定時制にしても人間関係は結構密なわけです。そういうことが苦手だから、スクーリングだけ行けばいいんだ、その場を我慢すればいいんだということで通信制を選ぶというケースはあります。ただそこで危険なのは、発達障がいの子は計画的に物事を進めるのが苦手な子が多いので、スクーリングでの履修科目や学習の進め方などある程度学校側で親切に道筋をつけてあげる必要があるのではないかと思います。

 発達障がいの子に対しては、通信制が一番柔軟に対応できます。通信制各校もそこをうまく生かすように学校全体で取り組んでほしいと思っています。

《『不登校・中退生のための進路相談室』(学びリンク)より》